マーチ博士の四人の息子

記念すべき第一回目の投稿です。

今回紹介するのは、「ブリジット・オベール/マーチ博士の四人の息子」です。

元旦にも関わらず、書店で何かおもしろそうな本ないかなー、と探していたところ出会いました。笑

暇だったんです、すいません笑

帯のあおりに惹かれ購入。そこには「表紙からすでに仕組まれたトリック。」こちらがその表紙です。

 

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

 

たしかになにか意味ありげな表紙笑

赤いテーブルに四人が肘をついている。何かこちらをうかがっている様子。これは期待できる!

しかしこの本を読んで第一の感想は…期待させすぎ!笑ということでした。。

作者のブリジット・オベールはフランス生まれで、「悪童日記」の作者であるアゴタ・クリストフも注目している作家さんです。

本作品は彼女のデビュー作であり、以降ホラーやハードボイルドなど様々なジャンルの作品に挑戦しています。

この本を手に取るまで彼女の名前は知らなかったので、お恥ずかしながら、彼女の作品はもちろん初めてです。笑

内容的には、「家政婦は見た!」をイメージしてもらえば十分かと思います。

マーチ家のメイドであるジニー・モーガンが、ある日日記を発見します。

その内容は変態的であり、なおかつ書き手自身が殺人者であることをその日記内で告白しています。

書き手はマーチ博士の四人の息子の内のだれか。

しかし、書き手は自分が誰なのかを明示していません。

ジニーは誰なのかを探ろうとしますが、犯人である書き手に気づかれ、やがて殺害の対象となり…

おおまかな内容は以上です。物語はジニーと、犯人である殺害者の日記形式の対話で進んでいきます。

それでは「ざっくり書評!」に入ります。

この本を読んで感じた点は三つあります。

まず一つにタイトルが内容に生かされてないな~と感じました。

「マーチ博士の四人の息子」

なんだか惹かれちゃいますよね笑

なにかサイエンス要素があるのか?四人の息子が複雑にからみあい、巧妙なトリックをみせてくれるのか?

期待させてくれます…が!!!

博士要素もなければ、正直に言って四人の息子も個性はそれほどありません(笑)

二つ目は…内容がありきたりで、犯人がわかりやすい!ということです。

ミステリー好きの人には、犯人が中盤にはわかってしまうのではないかと思います。

マーチ博士には息子はかつて5人いた、そして殺人者の日記で自分は存在しないと明記…

この時点でカンの良い人は5人目の息子が生きており、そいつが犯人では…と考えると思います。
(正式に言えば家族全員が共犯者なので、皆犯人と言えるのですが…笑)

そして最後にこれが一番感じたことなのですが…物語の流れが冗長!ということです。

先ほども述べたように、話はジミーと犯人の対話的な日記形式で進みます。

そこはいいのですが…基本的に話の転換が少ないです。

大体が犯人の精神異常者ぶりの強調に終始しているなー、と感じました。

そのため、読む人によっては途中で飽きてしまい、最後まで見ないという方もいると思います。

四人の息子それぞれが重要な役割を果たすわけでもなく、だからといって複雑に絡み合うわけでもない。

正直、最後らへんは「早く終わらないかなー…」と思ってました。(んじゃ読むな!という話なのですが…)

それでは、また!