開かれる建築

こんにちは、おっつーです。

 

今回読ませていただいたのは

「開かれる建築ー「民主化」の作法」

です。

 

ひらかれる建築: 「民主化」の作法 (ちくま新書 1214)

ひらかれる建築: 「民主化」の作法 (ちくま新書 1214)

 

 

著者は、現在東京大学大学院の教授である松村秀一さんです。

 

建築って不思議な魅力がありますよね。

人が住む場所で、効率性を追求しながらも、芸術的な要素も取り入れる必要があります。

一時期、建築士を目指そうかとも思いましたが、大学が文系だったため、諦めました…笑

 

さて、さっそく「ざっくり書評!」に入ります。

今回のキーワードは

①本書のテーマは?

②建築の民主化とは?

③建築の民主化実現のために何をすべきか。

 

①本書のテーマは?

 

題名で

「開かれる建築ー「民主化」の作法」

と書かれていますが…なんとなく、「建築は専門家のためではなく、もっと一般人のためにあるべきだ!」ということがイメージされます。

本書は、少し専門的な用語が多く、そのため建築の知識0の人には、民主化という主題が少しブレて読みづらく感じると思います(かくいう自分もそうなのですが…)。

ざっくり言いますと、

民主化」という観点から建築の歴史を振り返り、そこから「(一般人に)開かれた建築」の実現のためのヒントを見つけ出し、その実現のために何をすればいいのかを明らかにすること」

が本書の目的です。

 

②建築の民主化とは?

 

さて、本題に入っていきたいと思います。 

著者は、建築が民主化する過程に3つの世代が存在すると述べています。

1-第一世代の民主化

 

この世代は建築にとっての「近代」と言い換えることができます。

個人個人が健全な生活を送れるように、模範となる優れた建物を案出し、それを量産することにより、だれでも家に居住できることを目指したのが、この世代です。

要は、「建築の工業化」が成された時代ということでしょうか。

 

2-第二世代の民主化

 

第一世代の民主化の目的がある程度達成されると、次に第二世代の民主化が訪れます。

第二世代の民主化では、「人間のための工業化」が目指され、そのための選択の自由が必要

 だとされます。

「人間のための工業化」とは、生産者側の事情に支配された工業化ではなく、現代的な工業化技術を有効に活用しながらも、住み手に主体性を置き、住み手と住まいの間の自然な関係を取り戻すこと、だと述べられています。

 

「人間のための工業化」は、市場をオープンにして、住まいを我々住み手にとって身近な単位に分解して工業化し、それを好き好きに選択して組み合わせるというシステムで実現できます。

 

3-第三世代の民主化

 

そして現在が、第三世代の民主化が行われている時代となります。

今までの二つの世代を通じて蓄積されてきた十分な量の建築と技術や知識を利用し、それぞれの人が、自身の生き方を豊かに展開する「場」を作ること、それが第三世代の目的です。

 

 ③建築の民主化実現のために何をすべきか

 

では、開かれた建築実現のためには、なにが必要なのか。

 
1、利用する空間資源の改良の必要性の判断やその方法自体の提供
2.既存の技術や知識の収集と編集

3.生活者が「場」創りの際に使いやすい材料、技術、ファイナンス、政策をまとめて提供
4.「場」を創ることがよりよく育つのに、どのような環境をどう整えることが有効なのか、を模索する。

 

以上が本書のざっくりとした内容となります。

 

本書のなかで、私が一番面白いと感じた箇所(本書のテーマとは少しずれますが…)は、日本の伝統的な「畳割の文化」が、日本人の建築の民主化を手伝っている、という主張です。
日本人は、部屋の大きさを畳の数で表現します。日本人からみたら突然ですが、外国人にとっては驚くべきことらしいです。
私たちは畳の数を言われただけで、部屋の大体のイメージがわかりますよね。
それこそが、建築が一般に開かれている証拠であり、民主化の一助となってくれました。

 

いま、多くの空き部屋がありますよね。

最近、不動産屋に行きましたが、空室自体は結構あるらしいです(人気の場所は少ないですが…)。

それを有効活用して、貧困対策に使用したり、地域活性化の一助としたりと、今後はそのような活動を行なっていく必要がありますね。

 

私は団地の空室を利用した商店街を提案します。団地で商店街を開けば、高齢者も簡単に利用できますし、何より高齢者の孤立化も防げると思います(勿論、騒音問題もありますが…)。

みなさんはどんな使用方法を思いつきますか。

それではまた!